山川草木悉皆成仏
さんせんそうもくしっかいじょうぶつ


正法寺 住職 吉川弘哉

老僧の接木
 正法寺は、鑑真和上の高弟、智威徳が開いたといわれる真言宗の古刹です。
大原野の歴史は京都盆地では一番古く、石器時代に既に人間が住んだ形跡があります。
長岡京遷都から歴史の表舞台へ。

 西山と向日丘陵の間の盆地という地形が鷹狩りに最適な場所とされ、桓武天皇をはじめ多くの貴族が大原野で鷹狩りを楽しんだといいます。
かぐや姫伝説もあり、平家の面影が今も残る自然の中、ハイキングコースとして人気です。

 阪急電車京都線の洛西口駅に続きJR桂川駅もオープンし、これからもっと賑やかになるでしょう。

豊かな自然の中にいると、人間だけが生きているんじゃない、木も動物も皆互いに助け合って生きている、ということが実感できます。

 大原野は心の癒しの場所として、市内とは一味違った観光名所になればいいですね。

 「老僧の接木」という言葉があります。
渋柿は接木をすると甘い実がなりますが、老僧は甘い実を食ペることができません。
次の世代の人のために行なうのです。

この言葉の意味を、ゆっくりと大原野の自然の中で考えてみて下さい。
    正法寺住職 吉川弘哉


山川草木悉皆成仏
白砂に浮かぶ庭園と、
はるかにかすむ京洛東山の山なみを眺めながら、

千万年の風雪を越え歴史を見つめてきた石の数々と対話するとき、

大自然の弛みない営みの中に育まれ生かされてきた
もう一人の自分に出会う・・・。

 山川草木すべてに仏性あり 

流れる雲、鳥のさえずり、木々のそよぎ・・・
それらがまたそのままにして如来の説法である。

と密教は教えます。

命 いのち・・・・
遠い遠い昔から連綿と受け継がれてきた「いのち」。

すべての生き物はこのいのちをを未来へつなごうと、今を精一杯生きています。
またそのいのちは、網の目のようにつながりつつ、互いに助け合い、生かし合いながら今日に至っています。

決して人間だけのいのちではありません。
大勢のいきもののなかのただの一員に過ぎない人間。

今一度自他のいのちの重みをかみしめ、省みるよう、また生かされているいのちのありがたさに気づくように、と仏さまは語りかけています。